街を歩けば、いたるところに飲食店の看板が並んでいる。
焼き鳥、牛丼、ホルモン焼き、しゃぶしゃぶ、ハンバーガー。
肉無くして成り立たない外食産業。
テレビをつければグルメ番組、大食い競争、料理番組、そのどれにも肉が溢れている。
ペットに与える肉のことなど考え出したら、
一体どれほどの家畜が必要なのかと、
もう、きりがなくなる。きりがなくなる。
大量に消費するには大量に生産しなければならない。
コストを抑えて大量に生産するには、
今在るスペースにできる限り詰め込んで飼育するしかない。
大量のものを飼育するには、動かさずに効率よく管理できる檻が必要。
家畜が身動きもとれず、どんな苦痛を強いられているかなど考えている暇はない。
そんなことを考えていたら、「安く、大量に」という消費者の欲求に追いつかないからだ。
アニマルウェルフェア
この過酷な家畜の現状を改善するべく、
今、世界で注目を集めているのがアニマルウェルフェア(動物福祉)という考え方だ。
動物が、生まれてから死ぬまでのストレスをできる限り少なくし、行動欲求が満たされた健康的な生活ができることがアニマルウェルフェアの原則とされている。
アニマルウェルフェアで求められる五つの自由
● 空腹と渇きからの自由
● 不快からの自由
● 痛みや傷、病気からの自由
● 正常な行動を発現する自由
● 恐怖や苦悩からの自由
この五つの自由は、 現在183の国が加盟している国際獣疫事務局(OIE)が国際基準としているもので、9割の母豚を一歩も歩けない妊娠ストールに入れている日本も、この国際獣疫事務局に加盟しているのでした。
本来、このアニマルウェルフェアが実現されていれば、日本の母豚も、群れで過ごし、鼻と鼻で挨拶をかわし、お得意の砂堀をして過ごせているはずなのではないだろうか。不快からの自由、正常な行動を発現する自由、恐怖や苦悩からの自由はどこにあるというのだろうか。
(写真 アニマルライツセンター)
次回
一体、どこに行けば妊娠ストールを使用していない養豚場のお肉が買えるのよ?