我が家には二匹の猫がいる。
窓から外をじーっと眺め、私が外に出ようものなら、さりげなく一緒に出ようとしていた。
そこで、猫の額ほどの庭に網を張り、
猫を放った。
土を踏み、草をかきわけ、
トカゲや蝶を追いかける姿は、
ちょっと引くほど野生だけど、
吹く風に目を細め、
鼻をクンクンさせる姿を見ると、
幸せになる。
彼らに、少しだけど 自由ができたからだ。
しかし家畜。
日本の9割の家畜には、幸せを見出すことはできない。
豚
本来豚は、群れで生活することを好み、
鼻と鼻を合わせて挨拶をしたりする。
きれい好きで、トイレと寝る場所を区別して過す習性がある。
日本の母豚の現状
生後8か月で種付け(人工授精またはオスとの交配)
種付け後、妊娠ストールへ(※)
※妊娠ストールとは
母豚と同程度の大きさの檻。歩くことや方向転換はできない。
↓
妊娠ストールで115日間過ごす。
↓
出産前に分娩ストールへ移動
拘束期間は授乳期間の21日間 。
↓
次の種付けの為一時的にフリーストールへ。(4~8畳の広さに所狭しと入れられる)
↓
再び妊娠ストールへ
(妊娠ストール)
母豚はこのサイクルで平均1年に2度出産させられ、
生後4-5年で屠殺される。
妊娠するだけでも体の変化により、疲労するというのに、
自由に動けない檻の中での長期拘束。
どれほどのストレスがたまるのかは容易に想像できる。
何もすることもできないこの檻の中で、
メスの豚たちは、口の中に食べ物が入っていないのに
口を動かし続けたり、水を飲み続けたり、
目の前の柵をかじり続けたりという
異常行動を起こすことが知られています。(アニマルライツセンター)
調査・写真 / アニマルライツセンター
(許可を得て転載しています。)
OIE(世界動物保健機関)では、2018年、動物福祉規約により、畜産動物の身体的、心的苦痛を改善するため、新しい豚生産システムを可決しました。
新規約
成熟雌豚及び未経産雌豚は、他の豚と同様に、社会的な動物であり、群で生活することを好むため、妊娠した成熟雌豚や未経産雌豚はなるべく群で飼われるものとする。
そう、豚は群れで過ごしたい動物なのだ。
EUでは2013年から妊娠ストールを禁止。
スイスは、交配後、出産前の限られた期間をのぞき、妊娠ストール禁止。
米国 フロリダ、メイン、ロードアイランド、オレゴン、アリゾナ、ストール禁止。他、カルフォルニアなどの5州も2025までに廃止。
ニュージーランド ストール禁止。
オーストラリア、カナダ、ブラジル、南アフリカ共和国も廃止に向けて取り組んでいる。
世界は、家畜の動物福祉に向けて動き出している。
では、
日本の妊娠ストール使用率はどれくらいなのだろうか?
日本の
91.6%の母豚が
身動きの取れない
檻の中で
一生を終えていた。