10年前、
病に伏せ、三日間絶食した時があった。
空腹のピークを通り過ぎた三日目の晩、
やけに頭がピーンと冴えて
今なら、
鶏も、ウサギも絞められると思った。
生きるために食べるとはこういうことか!と、
分かった瞬間だった。
あの時の感覚を忘れないように、
肉を食べる前は
必ずお腹を空かせるようにしている。
惰性では食べない。
自分の体を使うことなく得た
いのちへの礼儀として。
北海道在住
日本で唯一のヒグマの猟師
久保 俊治氏 の言葉
夜の寒さを耐え、空腹を我慢し、
歩き、追い続けることにより、
獲物を得たときの喜びと
ありがたみは
本当に大きなものだった。
腹を割き、
手に熱いほどの獲物の体温を感じ、
まだ温かい肉の切片を
急いでおこした小さな焚火で炙り、
口の中で広がるうまさを飲み下すとき、
「いのち」がつながっていくことが
痛いほど実感できるのだった。
「狩猟教書」久保俊治/著 山と渓谷社より
さて、今日のごはんは4日ぶりのお肉。
ホライズンファームで購入した、
豚のブロック肉のシチューです。
母豚ありがとう。
子豚ありがとう。
生産者さんありがとう。